過保護が「普通」になると…
過保護にならないようにと思っていても、つい手や口が出てしまう親御さん、多いのではないでしょうか。
「学校からの手紙は?」「宿題早目にやっておきなよ」とか、つい言ってしまいがち。
参観の手紙などは、親が見ないと困るので声掛けが必要な場合もあるでしょう。
でも、(宿題とか時間割合わせなど)本人だけの問題ならば、数回軽く声をかけたらあとは我慢。
なぜ口を出さないのがいいのでしょう?
たとえば宿題を早くやってほしい場合。
「宿題、早目にやんなさいよ」
「いつまでゲームしてんの」
「もう8時だよ」
「いいかげんにしなさい!」
こんなふうに言っているといずれ子どもは動くでしょうが、毎日こんな調子だと、子どもは「何度も言われてからやっと動く」のが普通になります。
逆に言えば「何度も言われなければ、やらない」。
それがその子のスタイルになってしまいます。
ますます親はイライラして、子どもへの風当たりが強くなるでしょう。
「あんたは何度言ってもわからない!」「本当にぐずなんだから!」と、不要なことまで言ってしまいかねません。
人格否定の言葉が出てしまうと、どんどん溝が深まるばかり。
そうなる前にしっかり線引きをして、子どもがやるべきことは子どもに任せましょう。
「それができれば苦労はしない」と思われるでしょうか。はい、確かに。
決断のとき
ここは、親に「決断」が必要かもしれません。
「このことについては、もうこれ以上言わない」と「決める」。
決めたら、実行。
目の前でダラダラしている子どもを叱りたくなっても、せめてひとこと注意したくても、スルーする!と決めます。
わたしもあまり偉そうに言えませんが(すぐに口出ししたくなる)、この点は夫はすばらしく有言実行しています。
親がぐっと我慢して子どもに任せた結果、子どもが困っても、それはそれでかまいません。
それはきっと、子どもにとって必要な経験であるはず。
乗り越えられるようにサポートしてあげてください。
「ほらみろ、わたしの言うとおりにしないからだ」と子どもを責める必要はまったくありません。
そんなふうに言わなくても、子どもは自分で失敗の苦い思いをしているはずです。
そんなときは、寄り添うチャンス。
こんな失敗をする自分だけれど親は話を聞いてくれる、自分を否定しないでいてくれる……そういう感覚こそが、子どもの自己肯定感をはぐくむ何よりの栄養となります。
Comments